空き家の管理などに取り組むNPO法人ひらた空き家再生舎(出雲市平田町)が、出雲市大社町日御碕地区の単身女性向けに、同市平田町にあるシェアハウスを一時的に無償提供する取り組みを始めた。市街地との間を結ぶ唯一の県道の崩落で、生活に支障が出ている住民を支援する。
シェアハウスは、一畑電車・雲州平田駅近くにある「すずかけ荘」。女性専用で個室(約6畳)が5部屋と共用スペースがある。冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機なども備え、入居後すぐに生活できる。現在、同地区以外の利用者が3人いる。
9日の記録的大雨で県道が崩落し、同地区の住民は3日間自宅に帰れず、避難所で寝泊まりする人がいた。窮状を知らせる交流サイト(SNS)の投稿を見た同法人の野宗輝邦理事(46)が、支援を検討。12日に取り組みの周知を始めた。
個室5部屋のうち、空いた2部屋を活用。同地区の住民は1週間以内の仮住まいが全額無償で、1週間以上の場合、8月末まで水道光熱費を月1万円。9月以降の長期滞在については相談に応じる。
現段階で同地区の利用者はいないが、公営住宅に入居するまでや、市街地で勤務する際の拠点としての利用を想定する。野宗理事は「できることには限りがあるが、支援活動を広げる呼び水にしたい。気軽に相談してほしい」と話している。
問い合わせは吉岡拓也理事長、電話090(3638)7375。(片山皓平)