Q.何歳までOK? 歯並びが心配​


 3歳になっても、眠くなると指しゃぶりをします。何歳までOKですか? 歯並びが心配なので、やめさせたいです。お勧めの方法を教えてください。

YUBI先生の回答


 指しゃぶりは、お母さんのお腹の中でもしていて、生まれてすぐにおっぱいを飲むための練習なんですよね。生まれてからも「これが自分の手、指だ」という体性感覚獲得や離乳食へのステップとして指しゃぶりをします。その時期によって、さまざまな役割があるんです。

3歳を超えるとリスクが出てくる。子どもに寄り添いながら、指しゃぶり卒業を目指そう(YUBI先生提供)

 一般的に、3歳までに指しゃぶりは役目を終えますが、3歳を過ぎても続けている子は15~20%くらいいます。

 質問にあるように、3歳までに指しゃぶりをしなくなれば、歯並びが悪くなることはありません。ただ、3歳を超えてくるとさまざまなリスクが出てきます。具体的には、前歯のかみ合わせが悪くなり、上下の歯の間に隙間ができると、一口の量が減ってかみ砕く機能が育たなくなったり、口周りの筋肉バランスが崩れて口呼吸になったりすることがあります。

 口腔環境が悪化してむし歯や歯周病になったり、舌足らずな発音になってコミュニケーションに困ったりと、日常生活への支障が出てきます。

 難しいのが指しゃぶりのやめさせ方です。指しゃぶりが心の安定になっている子が多いので、叱ってやめさせようとすると、心が不安定になり、かえって指しゃぶりをしたくなってしまいます。

 そのため、優しく見守りながら、時にはゲーム感覚でトライしてみたり、ごほうびを使ってみたり、指しゃぶりのデメリットを真面目に話してみたりと、一緒に乗り越えていくスタンスで寄り添っていただくことが、指しゃぶり卒業への近道になると思います。

 

ドクター・ユビさん プロフィル
 米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。


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