島根県邑南町市木にある営業停止中のスキー場「瑞穂ハイランド」について、土木工事業のアオイテクノサービス(広島市)が14日、経営を引き継ぐと発表した。夏場のレジャー利用機能を整え、年間通じて集客できる施設に再生する。今冬からスキー場を再開するかどうかは調整中。 (糸賀淳也)
瑞穂ハイランドは2020年3月に営業停止し、運営会社の破産手続きが東京地裁で継続中。地元の官民と破産管財人が後継企業を探していた。
アオイ社は広島県内でスポーツチームの経営、水上スポーツの国際大会の企画などで実績がある。
浜田道の沿線にある立地条件の良さを踏まえ、レジャー施設としての可能性を見いだしたという。
スキー人口が減る中、スキー場としての機能にとどまらず、温浴施設、高級感のあるキャンプを楽しむ「グランピング」などに対応した施設に一新する。
町内で会見した塩本崇公社長(43)は「幼いころから滑りに来ていたスキー場をなんとか復活させたい」と説明。
スキー場の再開時期については、従業員の確保、設備点検、国土交通省への申請手続きを含む調整が必要で「早期を目指すが、冬からオープンできるとはまだ明言できない」と述べた。
アオイ社は1999年設立で従業員約30人。本社に加え、東京都、大阪府など全国に5拠点を展開する。売上高は非公表。
瑞穂ハイランドは86年にオープンし、ピーク時には年間約20万人が来場したが、2020年の利用客は5万1400人だった。