「100歳をめざす集い」で記念品を受け取る女性(中央)=9月16日、浜田市長浜町の長浜小学校体育館
「100歳をめざす集い」で記念品を受け取る女性(中央)=9月16日、浜田市長浜町の長浜小学校体育館

 元気な高齢者と話すことで、元気をもらうことがよくある。先月は敬老の日の取材で100歳のおばあさんと出会った。長生きの秘訣(ひけつ)を尋ねると「何でも食べること。何でも好きよ」。はきはきと素敵(すてき)な笑顔で返された

 おばあさんが出席した地区敬老会はその名も「100歳をめざす集い」。厚生労働省が発表した100歳以上の高齢者は9月1日時点で9万5119人を数える。1981年に千人、98年に1万人を超え、10万人台にもうすぐ手が届くところまで来た

 「人生100年時代」は確実に近づきつつある。と思いきや、待ったをかける研究結果が米科学誌で発表された。日本やスイスなど長寿の国・地域のデータを分析したところ、実はこの30年で平均寿命の延びは鈍化していた。予想では今世紀中に100歳まで生きる人の割合は女性で15%、男性で5%を超えることはないという。寿命の壁が存在するのだろうか

 そういえば、100年時代を前提にした「老後資金2千万円」問題が物議を醸したこともあった。<億いらぬ二千万円でよい宝くじ>。そんなシルバー川柳があったのを思い出す。100歳まで生きることが不安ではなく、目標となる世の中であってほしい

 シルバー川柳からもう一句引く。<百までと言われ内心それ以上>。健康への揺るぎない自信か、それとも意気込みか。寿命の壁に果敢に挑む姿にまた元気づけられた。(史)