「BIM」活用のノウハウを生かした新システムを発表する美保テクノスの野津健市社長=米子市内
「BIM」活用のノウハウを生かした新システムを発表する美保テクノスの野津健市社長=米子市内

 労働環境を表す「3K」が何の頭文字かと問われれば、きつい、汚い、危険-の三つを思い浮かべる。若者から敬遠される仕事のイメージで「3K職場」のような使われ方をする。

 その代表格とされる建設業界に「新3K」という言葉がある。給与、休暇、希望-。誇り、やりがいを持てる建設現場の取り組みの3本柱として国土交通省が掲げている。地域の安全・安心も支える産業。現場の努力も続く。

 「希望」の実現に一役買うのが、建設現場の生産性を高める手法の一つ「BIM」。「ビルディング・インフォメーション・モデリング」の略語で「ビム」と読む。コンピューター上で3次元(3D)の建築モデルを構築。建物のイメージや工事の進捗(しんちょく)状況を含めて設計、施工の各工程で「縦割り」だった情報が視覚で、工程に沿い「横」で共有できる。

 早くから活用する美保テクノス(米子市)が先日、地方企業の導入をサポートする新システムを発表。野津健市社長は「建設業をもっと元気で魅力ある仕事にしたい」と、国内トップランナーの自負をにじませた。

 「BIMをやりたい」。大阪府内の専門学校を卒業し、昨春入社した石川祥稀さん(23)は愛媛県出身。専門部署の一員として海外案件にも関わり「すごく充実している」と話す。その目の輝きは、まさに「希望」。業界を問わず魅力を発信し、希望の光を集めた先に、地方創生もあるのだろう。(吉)