北海道函館市内のスナックで「昼カラ(昼からカラオケ)」を楽しむお年寄り。生き生きと暮らし続けるには「キョウイク」と「キョウヨウ」が必要という=2020年1月(資料)
北海道函館市内のスナックで「昼カラ(昼からカラオケ)」を楽しむお年寄り。生き生きと暮らし続けるには「キョウイク」と「キョウヨウ」が必要という=2020年1月(資料)

 高齢者が生き生きと暮らし続けるには「教育」と「教養」が必要という。額面通りの意味ではなく、読み方になぞらえて、「キョウイク(今日行く)」場所と「キョウヨウ(今日用)」があればいいということだ。

 的を射た言葉だと思う。国の9月時点の調査で、島根県の人口10万人当たりの100歳以上は、12年連続全国最多の159・54人。県の担当者によると農作業や地域活動へ積極的に参加する元気なお年寄りが増えているという。キョウイクとキョウヨウを持ち合わせている人が多いのだろう。

 市町村別では邑南町が492・25人と最多で最少は松江市の104・01人。そういえば先日、同町であった講演会で隣り合わせた80代の女性も「農業してるから毎日やることがあって元気なんです」と話していた。

 平均寿命と照らし合わせて考えると、キョウイクとキョウヨウをより多く持っているのは、交流意識が高いとされる女性の方だろう。家事も関係するのではないか。総務省の3年前の調査では家事に従事する1日の時間は、島根県の男性が51分、女性は3時間4分と男性の3倍。

 ならば経験が少ない高齢男性はキョウイクとキョウヨウを家事でかなえてはどうだろう。中でも台所仕事は献立を考えて買い物に行き、調理をして盛り付けるなど頭も手先も気も使う絶好の活動だ。何を今さらと思うことはない。「教育」を受けるのに年齢は関係ない。(衣)