来待石で作られた出雲狛犬の資料を見る来館者=松江市宍道町東来待、来待ストーン
来待石で作られた出雲狛犬の資料を見る来館者=松江市宍道町東来待、来待ストーン

 松江市宍道町東来待の来待ストーンで、来待石で作られた「出雲狛犬(こまいぬ)」の企画展が開かれ、歴史や分布を示す資料などが来館者の関心を引いている。2025年3月10日まで。

 狛犬は魔よけのために神社などに設置される石像。展示では石像や神社の絵はがきなど約100点が並ぶ。

 「出雲狛犬」は宍道町名産の来待石で作られた。江戸から明治時代にかけて北前船で全国の神社などに奉納されたという。一般的に狛犬の片方には角があるが、出雲狛犬はどちらも角がない。「勇獅子(いさみじし)」という高く尻を上げる種類があるのも特徴。

 現存する最古の出雲狛犬は、香川県琴平町にあり、1781年に奉納され、今も設置されていることが紹介されている。「現代の名工」に選ばれた地元・宍道町の石工、伊藤暢保(みちほ)さんによる高さ約50センチの未完の狛犬も展示されている。

 来場した玉置茉耶(まや)さん(29)は「台座の時代ごとの違いが興味深かった」と話した。

 入館料一般390円、小中学生190円。午前9時~午後5時。火曜と年末年始は休館。

 (林李奈)