万葉歌人・柿本人麻呂ゆかりの地を巡るバスツアーがこのほど、益田市内であった。参加した18人が終焉(しゅうえん)の地とされる鴨島趾(あと)展望地などを訪れ、歴史ロマンに思いをはせた。
益田市柿本人麿公顕彰会が主催し、ボランティアガイドの安野正起さん(85)=益田市高津1丁目=が案内役を務めた。
鴨島は益田川河口の1キロ沖合とされ、1026年の大地震と津波で水没したと伝わる。安野さんは時代背景やその後の発掘調査について解説し、参加者は久城町の海岸沿いにある展望地から海を眺め、「バーチャル技術で再現できたらいい」などの声があった。
ツアーでは、人麻呂のご神像が鴨島から漂着した地で人丸社と人丸寺があったとされる「松崎」(益田市高津1丁目)に昨年建立された石碑や、近くの「松崎の碑」なども見て回った。
益田市横田町の大庭乾次さん(76)は「語り継ぐ場所を残していくことの大事さを学んだ」と話した。(吉田雅史)