ゆめタウン斐川にオープンした「ワークマンカラーズ」=出雲市斐川町
ゆめタウン斐川にオープンした「ワークマンカラーズ」=出雲市斐川町

 ワークマンが都市部を攻めるアパレル業界の主流とは異なる「逆張り」戦略を打ち出した。重視するのは地方、男性客、路面店。知名度アップに貢献した「#ワークマン女子」の業態を見直し、男性に軸足を置いた「ワークマンカラーズ」に看板をかけ替える。山陰両県でも出雲市にカラーズがオープン。作業服専門店の地位を築いた原点に立ち返り、ユニクロを追う。

 こちらも原点回帰が問われている。商品券10万円配布で追い込まれている石破茂首相である。他の議員に嫌われても正論や筋論を語ってきたが「ハンカチやお菓子でも買ってねという思いだった」「(原資は私費との)証明の仕方はどう考えても難しい」との答弁はさすがに苦しい。

 永田町に染み付いた贈答文化が「政治とカネ」とリンクするとは思わなかったのだろう。内閣支持率は危険水域の20%台に突入した。思慮が浅かったと言わざるを得ないが、支持率が致命的低さでないのは不幸中の幸いでもある。

 国民が首相に期待するのは自民政治の「逆張り」。言葉は悪いが、スマートな政治ではなく、ワークマンのように「ダサかっこいい」姿のはずだ。地位に恋々とせず、内閣のキャッチフレーズでもある「納得と共感」に立ち返るときだろう。

 ワークマンが打ち出す地方中心の戦略はくしくも地方創生を掲げる首相と重なる。今はひたすら謝り、ワークマン(働く男)に徹するほかない。(玉)