
Q.ヒトメタニューモウイルス感染症ってどんな病気?
3歳の娘がヒトメタニューモウイルス感染症にかかりました。聞き慣れないウイルスで驚きました。どんな病気なのでしょうか。予防法や注意が必要な時季があれば聞きたいです。
YUBI先生の回答
ヒトメタニューモウイルスは2001年に発見されました。迅速検査の普及に伴い、確定診断が可能になったことで、よく耳にするようになってきました。RSウイルスに似た症状が出て、主に発熱、せき、鼻汁などを引き起こします。

一般的な風邪だと1~2日で熱が下がるところが、ヒトメタニューモウイルスは4~5日熱が続くことがあり、せきも比較的長く続くため、ご家庭で心配されるケースが多々あります。
また、持病にぜんそくなどの呼吸器系疾患がある場合は、より症状が悪化しやすいため注意が必要です。迅速検査で、ウイルスの種類は特定できますが、問題なのは特効薬がないことです。そのため、対症療法で経過を見るしかないのが現状です。今のところはワクチンも開発されておらず、予防も難しい疾患です。
家庭でできる感染予防はマスクの着用、換気、手洗い、手指消毒など新型コロナウイルス感染対策と同様です。登園・登校については明確な基準があるものではないため、熱が下がり、せきなどの症状が落ち着いたら登園・登校して良いものと考えます。
一度の感染では免疫を獲得しにくく、何度も罹患(りかん)することがあり、再感染に注意が必要です。大人にも移るウイルスなので、お子さんからもらわないよう、家庭内での感染対策も十分に気を付けてください。3~6月に増えるウイルスですので、この春の感染に気を付けましょう。
ドクター・ユビさん プロフィル
米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。