子どものワクチンを検討する際に疑問に思ったのですが、水ぼうそうにかかると、将来帯状疱疹(ほうしん)になることがある、と聞きました。予防接種で体内に少量のウイルスを入れてしまうと、実際に水ぼうそうにかからなくても、将来帯状疱疹になる可能性があるのでしょうか?
水ぼうそう? 帯状疱疹? いろいろな情報が出回っており、理解がややこしいですよね。まずは、水ぼうそうと、帯状疱疹の関係をまとめてみましょう。
水ぼうそうも、帯状疱疹も「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」というウイルスが原因で起こる疾患 です。
VZVに感染すると、まずは水ぼうそうを発症します。VZVは、水ぼうそうの症状が落ち着いても、一部が体の中に残り、一生体の外に出ていくことはありません。そして、VZVは神経節に潜伏し、高齢になったり、病気になったり、何らかの理由で免疫が落ちた際に再活性化し、帯状疱疹を引き起こします。
水ぼうそうワクチンは、このVZVを弱毒化させた生ワクチンです。そのため、可能性としてはかなり低いものの、ワクチンが原因で水ぼうそうを発症したり、その後、帯状疱疹となることもあります。
ただ、可能性としては相当低いものですので、自然感染のリスクを考えると、ワクチン接種をするメリットは大変大きい ものになります。
最近では、帯状疱疹の予防として、不活化ワクチンが開発され、65歳以上の方などを対象に定期接種が実施されています。また、任意接種にはなりますが、50歳以上になると、不活化ワクチン、生ワクチンいずれかによる帯状疱疹予防が可能となります。
自治体によっては、独自に補助金システムを導入されているところもありますので、予防接種を希望される方は、お住まいの自治体窓口に一度ご相談されてみることをお勧めします。












