
上の子は出産後に産院で血液型を調べてもらいましたが、下の子は調べてもらえませんでした。わが子の血液型は把握していなくても良いものなのでしょうか? 今からでも調べておくべきですか?
最近は、多くの産婦人科で出生時の血液型検査をしなくなっていると思います。まず、血液型がどのような時に必要なのかを考えてみましょう。
血液型は、輸血をする時に必要となります。違う型の血液を点滴すると、溶血し、命に関わることがあります。そのため、輸血を患者さんの血液型に一致させなければなりません。
そこで必要なのが血液型検査です。血液型は、A型、B型、AB型、O型の4種類があり、さらにRH(+)とRH(-)がそれぞれにあります。実はこれ以外の血液型も存在しているのですが、非常にまれです。
A型にはA抗原、B型にはB抗原、AB型にはA抗原とB抗原があり、O型にはA抗原もB抗原もありません。このA抗原、B抗原の有無で、ABO型が決まっていますが、出生時はこの抗原が不安定で、1歳頃になって安定します。そのため、出生直後に検査をすると、A型なのにO型、B型なのにO型と出ることがあります。
すると、大人になっていざ輸血が必要となった際に、ご本人が認識していた血液型と、輸血前採血での血液型が不一致となることがあります。

こういったことがあるため、いかなる緊急時でも、血液型検査は、輸血直前に必ず行われています。これらを考慮すると、出生時に血液型検査をする意義はなく、割愛されるようになったのだと思います。
ただ、血液型占いなどが好きな日本人としては、血液型を知っておきたいですよね。この場合は、1歳を超えてから血液型検査をしてみましょう。