Q. 「熱性けいれん」正しい対処法は


 初めて子どもが熱性けいれんを起こし、パニックになってしまいました。今後のためにも、正しい対処法を教えてください。

YUBI先生の回答

 
 愛するわが子が意識を失って、ビクビクけいれんをしてしまうと、親御さんはとてもビックリし、不安になりますよね。

 熱性けいれんは、幼児期の子どもの8~10人に1人が起こす、比較的よくみられる疾患です。風邪やインフルエンザなどで、急な発熱をした際に、脳が急な熱変化に耐えられず、過敏反応をしてしまうことで、けいれんを起こします。

 ほとんどは短時間で落ち着き、後遺症も残らないため、安心して経過を見ていただければと思いますが、目の前でけいれんされたら、親としてはじっとしていられないですよね。

ほとんどは短時間で落ち着き、後遺症も残らないため、安心して経過を観察しよう(YUBI先生提供)

 対処法としては、まずは安全な場所で、横に寝かせてあげましょう。あおむけに寝かせると、嘔吐(おうと)があった場合に、吐しゃ物で窒息しかねませんので、横向きで寝かせるのがポイントです。

 薬剤としては、けいれんを止める座薬をご家庭に持っておいていただき、けいれんしてしまった場合に投与するほか、予防として、熱が上がり始めたらけいれんを起こす前に投与してしまうことも可能です。

 ただ、この薬剤の使用方法については、お医者さんによって見解が分かれる場合がありますので、かかりつけの先生とよくご相談していただければと思います。

 けいれんが長引くときや、けいれん後に意識が戻りにくいときは、熱性けいれんではなく、脳炎など他の疾患を疑うことも必要です。そのため、お子さんの様子がおかしいと判断された場合は、迷わず救急車を要請したり、救急外来を受診されたりすることが大事だと思います。

ドクター・ユビさん プロフィル
 米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。


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