Q.リンゴ病ってどんな病気?


 リンゴ病(伝染性紅斑)はどんな病気ですか? 保育園年少のわが子も先日かかりましたが、顔が赤くなるまで、全く気づきませんでした。予防法はありますか? また、流行期はあるのでしょうか。

YUBI先生の回答

 

 2024年度は約6年ぶりに「リンゴ病警報」が日本各地で発令されました。「リンゴ病って何だ?」という人も少なくないと思います。正式には「伝染性紅斑」といいます。名前のように、人から人に感染する病気で、原因はヒトパルボウイルスB19というウイルスです。

顔や体に赤い発疹が出る病気。妊娠中の女性は感染に注意しよう(YUBI先生提供)

 リンゴ病は、ウイルス感染後、10~20日の潜伏期を経て、まず関節痛、頭痛、微熱といった風邪のような症状が出ます、続いて、頬がチョウの羽のような形に赤くなり、腕や太ももにはレース状の発疹が出ます。特効薬はなく、対症療法となりますが、ほとんどは合併症なく、自然に治癒します。ただ、妊娠中の女性が感染すると、胎児にも感染し、胎児水腫という重篤な状態や、流産のリスクとなる怖い病気です。

 飛沫(ひまつ)感染するため、対策はマスクの着用、手洗い、換気などですが、リンゴ病は最初の風邪のような症状の時にウイルスを排出しており、発疹が出てきたときにはもうウイルスの排出が止まっています。そのため、リンゴ病と診断が付くころにはもう人に移らなくなっており、風邪っぽいなぁと思っている時に、周りに移してしまいます。

 誰がリンゴ病か分からない状態ですので、妊婦さんは流行期はなるべく外に出ないことと、人になるべく会わないことしか感染対策のしようがありません。時々流行し、警報が出ますので、ニュースなどに目を光らせていただければと思います。
 

ドクター・ユビさん プロフィル
 米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。


▶▶子育てに役立つ情報はこちら