「ホウレンソウ」と聞いて、食べると超人的パワーを発揮する『ポパイ』を連想するのは、やはり「おじさん世代」以上のようだ。新年度初日に合わせた1日の小欄で、日本では1959年に初めてテレビ放送された米国漫画の主人公を取り上げた。
その後、ポパイについて新聞社の新入社員に水を向けると「知ってます。雑誌の名前ですよね」と返された。間違いではないが…。
何もポパイの大好物の話を書きたかったわけではない。コラムのテーマはビジネス用語として定着した「報連相(ほうれんそう)」。「報告」「連絡」「相談」の三つの頭文字を合わせた言葉で、組織内のコミュニケーションに欠かせない。先の新入社員も「社内研修で教わったばかり」と話していた。新年度が始まって間もなく3週間。報連相は実践できているだろうか。
最近は管理職向けに「おひたし」という心得もあるらしい。「怒らない」「否定しない」「助ける」「指示する」の頭文字を並べた部下の育成術だ。せっかく報連相があっても、忙しさから生返事をしたり、乱暴な差し戻しをしたりするのは逆効果。わが身を振り返り反省する。
「チンゲンサイ」という言葉もある。「沈黙する」「限界まで言わない」「最後まで我慢」の頭文字を並べ「沈限最(ちんげんさい)」。それが続くと、新入社員に限らず、離職につながりかねない。管理職にはポパイのような馬力に加え、繊細な目配りも大切だ。(健)













