「朝ドラ」こと、NHK連続テレビ小説は良くも悪くも話題になる。3月末まで放送された『おむすび』は「脚本が雑」などとネット上で酷評され、平均世帯視聴率(関東地区)も13・1%と過去最低に。その反動か現在の『あんぱん』は好評ながら、「ポップな曲とCGを使ったオープニングがドラマに合っていない」との批判も。そこまで目くじらを立てなくてもと思うが、とにもかくにも注目度が高い証しだ。
先月、全国の新聞社の会合で上京した際、それを再認識した。協議後の懇親会で中締めのあいさつを頼まれ、ふと思い付いたのが、小泉八雲の妻セツをヒロインのモデルにした朝ドラ『ばけばけ』。会合の感想を述べた後、「今秋には松江を舞台にした『ばけばけ』が始まります。ぜひ一度、松江に足を運んでください」とアピールした。
すると「うちも舞台です」と熊本からの参加者。中学校の英語教師をしていた八雲は松江を離れた後、熊本で3年間暮らしていた。
意外な反応も。「うちはやっと“朝ドラの呪縛”から解放された」と徳島の参加者。『おむすび』以前の最低視聴率は徳島が舞台の『ウェルかめ』(2009年度後期)だった。ただ、最低のままの方がずっと注目を集めると思うが。
『ばけばけ』は3月下旬に撮影を開始。今後は松江ロケも予定されているという。好評に越したことはないが、どんな評価でも温かく見守りたい。(健)