短歌・寺井淳選

掘割坂自転車押して登ってた福祉バスから遠い日を見る      江 津 沖田 尊江

【評】結句の「遠い日」が目に見えるようです。かつての自転車、いまは福祉バスと 一首の中に人生の時間が確かに流れています。

歌姫はやよいの空へ帰り逝くブルーライトの歌を残して      出 雲 牛尾 尚義

【評】名前は出さずとも、その人の姿とちょっとかすれた歌声がよみがえります。歌 が残る限り、その人は消えない。私どもの歌もそうありたい。

新商品と書かれし傍のパスタソース夕献立はスパゲッティに    江 津 岡本美津子

春めい...