椅子のデザインに込めた思いを話す白岡彪さん=鳥取市栄町、ギャラリーそら
椅子のデザインに込めた思いを話す白岡彪さん=鳥取市栄町、ギャラリーそら

 国際的に活躍した家具デザイナーの白岡彪(ひょう)さん(84)=鳥取市在住=による展覧会が24日、鳥取市栄町のギャラリーそらで始まった。国内外で白岡さんがデザインした椅子や家具など約30点が展示され、家具作りの高い技術が披露されている。

 白岡さんは1941年に愛媛県で生まれ、鳥取家具工業に入社した。入社後にデザインした「108-ロビンチェア」は大ヒット商品になった。会社の倒産後、さまざまな会社と連携し、アジア諸国で家具の生産に携わった。

 デザインした作品は1万点以上といい、今回の展覧会では鳥取家具工業時代の試作品も並べた。これまで出版したデザイン集や、原寸大の図面、国内外の家具デザインの歴史をまとめた年表も展示した。

 白岡さんは「国際的な活動は鳥取家具工業で学んだことの復習だった」と振り返る。来場者に見てもらいたいのは高い技術力のあった地元産業の歴史。県内では家具作りが下火となってしまったが「やって来たことを伝えて、再び火をつけたい」と展覧会にかける情熱を話した。

 入場無料。29日まで。午前10時~午後6時。最終日は午後4時まで。

(小林竜大)