戦中、大政翼賛会の宣伝部

 太平洋戦争中、花森安治(1911~78年)は先輩の誘いを受けて「大政翼賛会」に入り、宣伝部の一員として毎日奔走した。

 『贅沢(ぜいたく)は敵だ』『欲しがりません勝つまでは』。戦中、翼賛会が生み出した標語の数々は町にあふれた。

 『進め 一億火の玉だ!』『屠(ほふ)れ!米英我等の敵だ』のポスターは花森がレイアウトにかかわったとも言われている。

 会の役目は「戦意高揚」「生産増強」。国民一人一人に不退転の決意を持たせ、戦うべき相手を明確に見せる。花森は描き文字、挿絵、装丁な...