素焼きのため登り窯にまきをくべる生徒=大田市水上町、市立第三中学校
素焼きのため登り窯にまきをくべる生徒=大田市水上町、市立第三中学校

 大田市水上町の市立第三中学校で28日、全校生徒9人が校内の登り窯で陶器を素焼きした。石州瓦の産地で50年以上続く活動で、8時間にわたって窯にまきをくべ、9月の本焼きへ気持ちを高めた。

 食器や置物など、生徒1人が各2点と地域住民が作った計170点を窯に収めた。午前9時前に生徒たちが火入れ。窯内の温度計を頼りに、1時間で100度ずつ温度が上がるよう調整してまきをくべ、夕方に850度に達したところで窯を閉じた。

 今後は冷えた後に取り出し、うわぐすりを施して9月上旬、1泊2日の合宿で本焼きして完成させる。3年の高橋佑実さん(14)は「登り窯で焼くのは、自分で作ったという達成感がある」と話した。

 水上町ではかつて、多くの瓦用の登り窯が軒を連ねた。大田三中は前身校の一つ、大森中学校の時から登り窯を設け学習に活用してきた。3段造りの本格的な窯で毎年、素焼きと本焼きをする。テレビ朝日のバラエティー番組「ナニコレ珍百景」で昨秋、窯が紹介され、珍百景に登録された。

(勝部浩文)