出雲市斐川町名島の佐藤豊さん(92)の畑で、腕が生えてきたような不思議な形のナスができ、このほど収穫し、地元の保育園に贈った。
ナスは5月上旬に植え、猛暑の中でもぐんぐん育ち、長さ32センチ、直径5センチの太さになった。上から10センチ辺りで一部が分かれて、長さ約10センチの細い棒状になった。十手のようにも見えるが、佐藤さんは「横にすれば、母親の乳を吸うアクアスのシロイルカに似ている」と言う。
佐藤さんは自宅の畑で70年以上、ナスを育てているが「似たような形のナスは見たことがない」と言う。島根県農業技術センターの普及員によると、花芽分化時期の栄養や水分の過多などによって、細胞分裂の異常で発生する「舌出し果」とみられるという。
佐藤さんは「何の形に似ているか、子どもたちが自由に連想して楽しんでほしい」と話した。(佐野卓矢)