丸山達也知事の「聖火リレー中止検討」発言は、インターネット上でも注目を集めた。表明した17日以降の国会議員や都道府県知事の言及に対して関心が高まる。五輪開催地ではない島根県からの発言は、会員制交流サイト(SNS)上で「地方の乱」と称されるなど議論の的となっている。

 インターネットのニュースサイトでは、丸山知事の判断を「本音を発言できる数少ない知事」「健康と安全、県内予算を守る。県知事としてこれらを優先するのは本来当然」と評価する声が少なくない。6、7両日の共同通信の世論調査では、コロナ禍で五輪開催を望むのは14・5%にとどまっており、こうした不安感を代弁した形だ。

 SNSでは「#頑張れ島根県知事」など「ハッシュタグ(#)」と呼ばれる検索目印がついた書き込みで知事を応援する動きも見られた。「知事の発言は不用意だ。注意しようと思っています」とした自民党の竹下亘衆院議員(島根2区)の発言には「地方の意見を抑え込むってことですか」との反発もあった。

 山陰中央新報社のLINEアカウント「さんいん特報班」にもコメントが寄せられた。松江市内在住の男性(67)は「今の状況で(リレーを)やることに疑問を持ち、問題提起することはいいことだ。協議もせずに、頭ごなしに『注意する』という言い方は納得できない」と話す。

 半面、政府や東京都のコロナ対策の不十分さを理由に、聖火リレーを持ち出すことに疑問を感じる意見も。「聖火リレーを新型コロナとの取引にしてほしくない」と、論点が違うとの指摘もあった。丸山知事が最終判断を下す今後1カ月の間、ネット空間でさらに議論が熱くなりそうだ。

 (森みずき、片山皓平)