上昇気流が吹くので雲は落ちてこられない
上昇気流が吹くので雲は落ちてこられない
筑波大学計算科学研究センター教授 日下(くさか) 博幸(ひろゆき)
筑波大学計算科学研究センター教授 日下(くさか) 博幸(ひろゆき)
上昇気流が吹くので雲は落ちてこられない 筑波大学計算科学研究センター教授 日下(くさか) 博幸(ひろゆき)

雲は空に向かって吹く上昇気流で浮いている

 晴れた日の空に浮(う)かぶ、ふわふわとした綿菓子(わたがし)のような小さな雲。なんだかとてもかわいくて、私(わたし)のお気に入りの雲の一つです。

 雲の正体は何でしょう? 近くの大人に聞いてみると水蒸気(すいじょうき)と答えるかもしれませんが、そうではありません。雲は、とても小さな水滴(すいてき)や氷の粒(つぶ)の集まりです。雲がある場所は、上昇(じょうしょう)気流と呼(よ)ばれる風が地上から空に向かって吹(ふ)いています。この上昇気流によって吹き上げられるため、雲はそんなに早く落ちて来ることができずに、ほぼずっと浮いていられるのです。

 青空と雲をじっと見続けてみましょう。カメラでタイムラプス(コマ送り)撮影(さつえい)してもよいでしょう。きっと、ゆっくりと動いている雲があることに気づくでしょう。

 雲は自分の意思で動いているのでしょうか? いいえ違(ちが)います。雲は風に流されて動いているのです。まるで川に浮かぶ木の葉が流されるように。「そんな高いところでも風は吹いているの?」と思う人がいるかもしれません。私たちは自分の周りの風しか感じることができませんが、風はどこでもどの高さでも吹いているのです。

 風はどこからやって来るのでしょうか? 答えは、「風によっていろいろ」です。うちわで作った風はすぐ近くから吹いて来ます。風のなかには、海風のように近くの海からやってくるものもあれば、季節風のように海の向こうからやって来るものもあります。

 ジェット気流と呼ばれる空のずっと高いところで吹いている風は、地球の周りをぐるぐるかけ回っています。恐竜(きょうりゅう)がいた時代よりも前から休むことなくずっと吹き続けています。

 

筑波大学計算科学研究センター教授 日下(くさか) 博幸(ひろゆき)
■略歴(りゃくれき)
 1970年島根県平田市(現(げん)出雲(いずも)市)生まれ、千葉県育ち。97年筑波大学大学院修了(しゅうりょう)。2002年博士(はくし)(理学)。電力中央研究所、アメリカ国立大気研究センター、筑波大学で研究。アメリカ気象(きしょう)学会The Helmut E.Landsberg Award受賞(じゅしょう)者