第六章・天に抛(なげう)つ(12)

 

 利長は利常ともう一服ずつ茶を飲んでから、長らく考えていたことを打ち明けた。

「利常は今まで通り幕府に従うことで、加賀百万石を維持していくようにせよ。しかし...