小中学生による戦後80年にちなんだ劇の上演がこのほど、松江市八雲町平原の演劇専用劇場「しいの実シアター」であった。4日間で脚本作りから稽古、上演を経験した児童生徒たちは平和についての考えを深めた。
劇は広島県に住む子どもたちが「うちらと同じように敵国の子どもらも戦争は嫌じゃと思っているはず」と話し合い、早期の戦争終結を広島県知事に直談判しようとするストーリー。子どもたちが広島市内に向かおうとした朝に8月6日を迎え、悲惨な状況を目の当たりにした子どもたちは「しっかりと生きねばならない」と誓う。
しいの実シアターが子どもたちに演劇を通して考える力や思いやる心などを持ってほしいと、2016年から夏休みに開く未来学校の一環。参加した児童の一人が持ち込んだ脚本を基に、参加者17人がアイデアを出し合って15分の劇にまとめた。
脚本を持ち込んだ大庭小学校5年、水野樹乃実さんは「80年前に戦争があったと知り、脚本を考えた。参加したみんなの心に残ったらうれしい」と充実した表情で話した。同シアターの園山土筆(つくし)芸術監督(79)は「一人一人が成功させようと努力した。貴重な体験になったと思う」とたたえた。
(新藤正春)