災害時の被災者への対応技術を磨く医療関係者=松江市乃木福富町、島根県消防学校
災害時の被災者への対応技術を磨く医療関係者=松江市乃木福富町、島根県消防学校

 救急医療チームが技術を競う大会「島根メディカルラリー」がこのほど、島根県消防学校(松江市乃木福富町)であった。県内外の医師、看護師、救急救命士など医療関係者ら約300人が参加し、避難所などでの処置の適切さや情報共有の円滑さなどを学んだ。

 救急技術の向上のため、県内の医療関係者中心でつくる実行委員会が開き、12回目。徳島県や東京都、愛媛県などから12チームが参加した。

 災害が起きた時の避難所にいる寝たきりの高齢男性、視覚障害者などの被災者を想定し、治療などの優先度を決める「トリアージ」を行った。参加者は被災者のそばに駆け寄り、体調やアレルギーの有無などを聞き取り、福祉避難所や病院などの搬送先を決める判断力が試された。

 島根大医学部出身の医師、日下あかり実行委員長(43)は「災害時の避難所にはさまざまな被災者がいるので、症状に合わせた処置を素早く行うことが求められる。普段から何を備えておくべきか、何ができるかを考えるきっかけになってほしい」と話した。

(井上雅子)