和歌山県で今夏あった全国高校総合文化祭郷土芸能部門の伝承部門で石見神楽を舞い、2位に当たる文化庁長官賞に輝いた浜田商業高校(浜田市熱田町)は、郷土芸能部の10人が大舞台で練習の成果を発揮した。部員は「信じられない」と喜び、伝統の継承を誓った。
全国の舞台で舞った演目は「神迎(かんむかえ)」。部長で3年の大塚ほのかさん、いずれも2年の勝手杏奈さん、島田真那斗さん、広瀬凌雅さんが鈴や幣を手に、東西南北の神様に舞をささげた。
3年の西田一翔さん、いずれも2年の坂田流衣さん、徳原稜仁さん、三明巧真さん、三浦咲さん、斉藤あかりさんが大太鼓や手拍子でもり立てた。
出場に向け、4人の舞い手は幣を回すタイミングや立ち位置を細かくそろえるため、ビデオ録画して確認作業を繰り返した。3年3人、2年10人、1年2人で構成する郷土芸能部はチームワークの良さが自慢。学年に関係なく、みんなで意見を言い合えたからこそ練習の質が上がったという。
本番が近づくと「みんなの舞がそろって一体感が神秘的に感じられ、本当に神様が降りてくるのではと思うほどだった」と、布施武司教頭は部員の集中ぶりを振り返った。
全国の舞台を経験した2年生が多いことから、来年も活躍が期待できる。大塚さんは「このメンバーなら大丈夫。挑戦し続け、伝統をつないでほしい」と思いを後輩に託した。
(坂上晴香)