「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」するとした日本国憲法24条。秋篠宮家の長女眞子さま(29)と小室圭さん(29)の「年内結婚」に向けて準備が動きだしたのは、昨年11月に秋篠宮さまが2人の「結婚」を認めるのに、24条を取り上げたのが大きいようだ▼秋篠宮さまは会見の席で同時に「結婚と婚約は違う」とも発言。納采(のうさい)の儀など「婚約」に伴う伝統行事は行わず、結婚して皇籍を離れる人に支払われる一時金も、眞子さまは辞退する意向という。小室家の金銭トラブルに対して根強い批判があることを意識したのだと思う▼「婚約」に対する見解は、一般社会に暮らす者には理解しづらい面がある。それでも今回の判断は是としたい。権力を持つ側を縛るのが近世以降の憲法の役割。男女平等をうたう憲法の条文順守を皇室側が示した意義は大きいからだ▼眞子さまが結婚して皇籍を離脱すると、未婚の女性皇族は5人に減る。やがて次世代を背負う皇族が秋篠宮さまの長男悠仁さま1人になる可能性もある。将来を見据えた皇族数確保は待ったなしの懸案だ▼国の有識者会議は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保てるよう模索。養子縁組の道も検討しているものの、できればもう少し踏み込んだ論議をしてほしい。必要なのは皇室の存在意義や仕事を再確認し、皇族が男女問わず「国民の象徴として」能力を発揮できる環境づくりである。(示)