幹にシートを巻き付ける参加者=鳥取県伯耆町岩立
幹にシートを巻き付ける参加者=鳥取県伯耆町岩立

 国立公園・大山の森林環境や景観を乱すナラ枯れ被害を防ごうと、市民参加の対策作業が13日、鳥取県伯耆町岩立の山林であった。県内外の約30人が、ミズナラやコナラの幹にシートを巻き付け、病原菌を運ぶ害虫から守った。
 参加者は3班に分かれ、害虫の「カシノナガキクイムシ」が幹に出入りできないようにする立木のシート処理をした。周辺の山林を管轄する鳥取日野森林組合(鳥取県日野町舟場)の職員に手ほどきを受け、地上から高さ2メートルまでの幹と周辺の地面をシートで厳重に覆った。
 作業は市民参加の森林保全活動や自然体験会を主催するNPO法人とっとり希望化計画21(鳥取市湖山町)が毎年企画。山岡憲樹理事長(76)は「次世代に豊かな自然環境を残したい。子どもたちが森林と触れ合うようになればいい」と話した。
 ナラ枯れは害虫が幹に穴を開け、幼虫を育てることで発生する。8月ごろに葉が赤く変色するのが特徴で、大山周辺では2013年度から毎年確認される。害虫を捕らえるわな仕掛けや被害木の伐採などの対策が進められている。
 (田淵浩平)