運転停止から10年を迎えた島根原発2号機(手前)=松江市鹿島町片句
運転停止から10年を迎えた島根原発2号機(手前)=松江市鹿島町片句

 中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の運転停止から27日で10年となった。この間、2号機は安全対策に関する原子力規制委員会の審査に合格し、中電は再稼働の必要性を主張する。一方、原発の在り方は地域の将来を大きく左右する問題で、原発30キロ圏内の関係自治体は再稼働を認めるかどうかを議論。各地で再稼働の是非を問う住民投票の実施を求める動きが相次ぐ。

 2号機は2011年3月の東京電力福島第1原発の事故後、定期検査のため12年1月に運転を停止した。再稼働させるには、規制委の三つの審査に合格し、地元同意を得る必要がある。

 中電は13年12月に規制委に審査を申請。このうち21年9月に安全対策に関する審査に合格した。原発の約2キロ南側を走る「宍道断層」の長さの評価に時間がかかり、中電の清水希茂社長は会見で「非常に時間を要した」と振り返った。

 2号機を巡り、中電は電力の安定供給や環境対策、経営の安定化に再稼働が欠かせないと主張。立地自治体の松江市と島根県に同意を申し入れ、周辺自治体の出雲、安来、雲南、米子、境港の5市と鳥取県に理解を求めている。

 しかし、原発が動いていない間も電力不足は生じておらず、住民からは再稼働の必要性に懐疑的な声が上がる。安全性や事故時の避難計画に対する不安も残ったままで、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分地も決まっていない。こうした状況を踏まえ、松江、出雲、米子、境港の4市では、住民投票の実現を目指す署名活動や直接請求の手続きが進んでいる。
      (高見維吹)