出雲市民を中心につくる「出雲山の会」(山内憲一会長、12人)のメンバーが、旧出雲市南部を走る荒廃した山道を歩ける道へと復活させた。長く人が歩くことがなく、クマザサのジャングルと化した道を地道に整備した。メンバーは完了を喜び、多くの人が散策することを願った。 (松本直也)
同会は1974年に創立。出雲、松江、大田市在住の70代が中心で月1回、船通山など主に中国山地を登山している。
復活させたのは県道162号(大社立久恵線)の後谷(出雲市乙立町)地点から、久奈子神社(同市古志町)に至る山道(4・2キロ)の一部約2キロ。昔は生活道として利用され、散策を楽しんだメンバーもいた。クマザサが密集し、歩ける状況にないことを憂い、昨年11月に整備に着手。作業は4月まで計5日間、延べ36人が参加した。
軽い気持ちで始めた作業は想像以上に困難だった。山道には約2メートルのクマザサが茂り、鎌やのこぎりでは手に負えず、草刈り機を投入した。メンバーは体をかがませ、ササの根元から道の痕跡を確認しながら刈り込み、倒木は撤去した。同市高岡町の後藤文男さん(74)は「大変だったが、最後までやりきらないと気が済まなくなった」と作業に没頭したという。
5月末にはメンバー8人が山道を歩き、気になるササを刈り取った。山道には自作の案内板を計8カ所取り付け、誰でも散策を楽しめるようにした。起伏は少なく歩きやすい。山内会長(74)は「道があることを知って通ってほしい。通ることで道がきれいになる」と話した。
今後は復活した道から立久恵峡方面に枝分かれした山道の整備を計画する。