店舗入り口に貼り紙を付ける坂根めぐみ社長=出雲市今市町、オトナキチコーヒー
店舗入り口に貼り紙を付ける坂根めぐみ社長=出雲市今市町、オトナキチコーヒー

 参院選公示を受け、山陰両県内で投票率アップを願い「選挙割り」を導入する店舗が出ている。投票すれば割引きの特典が受けられる内容。2年前に始めた現場では、若い顧客が初めて投票に行くといった成果が出ており、取り組みの広がりが期待される。

 公示翌日の23日、出雲市今市町のカフェ「オトナキチコーヒー」の入り口に「センキョ割やってます。」と記された案内が貼り付けられた。

 経営する「まるこ」の坂根めぐみ社長(44)が企画し、大社珈琲、きっさこ坂根屋、カフェ&ビストロあん、フェアトレードfukuーmimi、ふくや不動産と市内の飲食店や雑貨店の計6店舗で開始。期日前や投票日に投票し現地の写真を撮って提示すれば、7月17日まで5~8%の割引きといったサービスをする。

 坂根社長が選挙割りを始めたのは2020年の市長選・市議選で、21年の衆院選に続き3回目。20年には20代の子連れ夫婦が「初めて選挙に行きました」と訪れ、衆院選でも投票したという。

 参院選の鳥取・島根合区選挙区の投票率を巡っては、16年が59・52%だったのに対し、19年は52・20%と7・32ポイント低下。特に両県では18、19歳が20%代、20~24歳が20~30%代、25~29歳が30~40%代と低い。坂根社長は「選挙のハードルを下げ、投票するきっかけにしたい」と話す。

 山陰では松江、出雲、米子市に着物専門店を持つやしまグループ(広島市)も21年衆院選に続いて実施を決め、内容を検討する。

 一般社団法人選挙割協会(東京都)によると、21年の衆院選では秋田県を除く46都道府県で2千店舗が実施。今回の参院選は上回る見込みだという。