候補の街頭演説の様子を撮影する陣営関係者=鳥取県内
候補の街頭演説の様子を撮影する陣営関係者=鳥取県内

 10日の投開票に向け、終盤戦に入った参院選鳥取・島根合区選挙区(改選数1)では、各陣営が交流サイト(SNS)上でも火花を散らす。候補の動きなど情報発信にとどまらず、演説の生配信や人柄を伝える投稿に工夫を凝らし、活動量の補完や無党派層の取り込みに期待する。インターネット選挙の解禁から9年がたち、選挙活動に欠かせない手段の一つとなったものの、効果を測ることは難しく、各陣営とも手探りで発信を続ける。

 3日午前、鳥取県智頭町で街頭演説に立った自民党現職の青木一彦候補には、スマートフォンやカメラを携えたSNS用の専従スタッフが同行した。

 ツイッターのフォロワーが245万人いる党広報本部長の河野太郎衆院議員が各県連にSNSの充実を要請。4月に開いたオンライン講習会では「写真はなんでもかんでもアップするのではなく(見栄えのする)とびきりの一枚を」といった、こつを伝授した。陣営SNS担当の原拓也島根県議は「政治的な話題ばかりでは若者が見ない」とし、家庭での候補の様子も投稿。「現職の知名度はあるので、人柄をPRする方がより関心を持ってもらえるはずだ」と狙いを語る。

 与野党の共通課題は東西約330キロに及ぶ広大な合区選挙区だ。片側の県で候補者が終日不在となることも珍しくなく、主張や政策を伝えるSNSの重要性は増す。立憲民主党新人の村上泰二朗候補の選対事務局長を務める興治英夫鳥取県議は、演説会日程を投稿しつつ、ライブ配信(生中継)へ誘導する戦略を描き「SNSをフォローしてもらえれば、発信を通じ(両県)どこにでも届く」と期待する。

 共産党新人の福住英行候補はツイッターで遊説先や選挙カーからの「自撮り」を交えて発信。力を入れる背景には支持者の高齢化がある。党鳥取県委員会の岩永尚之委員長は「紙媒体配布や電話作戦の相手は中高年だったが(党が把握する支持者の)名簿の数は年々減っている」と明かし、若者など特定の支持政党を持たない層へのアプローチに有力な手段とみる。

 ただ効果は未知数だ。各候補のフェイスブック、ツイッター、インスタグラムのフォロワー数は多いもので約3千件に上るが、数十件にとどまるものもある。自民党の陣営関係者は「力をかけたことがどれだけ票に表れるか分からない」と話す。

 このほか、NHK党の新人、黒瀬信明氏はユーチューブやツイッターを使い、NHKのスクランブル放送化の実現を主張。政治団体・参政党新人の前田敬孝氏の陣営もユーチューブに演説会の動画をアップする。 (取材班)

◇鳥取・島根合区選挙区立候補者
<改選数1、届け出順>
黒瀬 信明37 N新
福住 英行46 共新
村上泰二朗34 立新
前田 敬孝60 諸新
青木 一彦61 自現(2)(公(推))