きょう7月11日は国連が定めた国際デーの「世界人口デー」。1987年のこの日、ユーゴスラビア(当時)のザグレブで生まれた男の子を、国連が世界人口50億人目と認定したのにちなんで、2年後に制定した▼その男の子も35歳。国連人口基金(UNFPA)が発表した「世界人口白書2022」によると、直近の世界人口は前年比7900万人増の79億5400万人になった▼ただ祝ってばかりもいられない。UNFPAは世界中の約半数に当たる毎年1億2100万件の妊娠が意図しないものだと指摘。ロシアのウクライナ侵攻をはじめ、世界各地の紛争や危機が、性的暴力など「意図しない妊娠」の増加を引き起こすと警鐘を鳴らす▼翻って日本の人口は前年比10万人減の1億2600万人。世界の人口上位国のうち減少しているのはロシアと日本だけという。足元に目を向けると、山陰両県は1960年代の高度経済成長期以降、若者の東京などへの流出が続き人口が減少。島根は55年の93万人近くをピークに下降線をたどる。世界人口から見ると、まるで別次元で暮らしているようだ▼人口減少により、3度目の鳥取・島根合区選挙区となった参院選が終わった。少子高齢化が進み、社会保障費の将来世代へのツケ回しが肥大化する中、地域の未来に希望を抱き、1票を投じた若者がどれほどいただろう。将来への不安を少しでも解消したい。(健)