鳥取県はA型の血液型の人の割合(53・1%)が全国で最も高く、島根県はO型の割合(40・0%)が全国2位-。こんなランキングを東京のベンチャー企業がまとめた。同社のサービスを利用する全国2万人以上のゲノムデータを解析した結果で、鳥取県民は2人に1人がA型、島根県民は5人に2人がO型となる計算▼日本人はなぜか血液型の話を好む。A型は几帳面(きちょうめん)、B型は自由奔放、O型はおおらか、AB型は二重人格などと分類する性格診断はその代表例。笑って聞き流せる程度ならいいが、少数派のB型とAB型が苦痛を感じる場面も少なくない▼過去には血液型と性格を関連付けたテレビ番組が相次ぎ、業界の第三者機関・BPO(放送倫理・番組向上機構)が根拠が示されていないとして、待ったをかけたこともあった。血液型で人格を決め付ける嫌がらせを「ブラッドタイプ・ハラスメント」と呼ぶ▼ちなみに日本人は4割がA型、3割がO型、2割がB型、1割がAB型だが、歴代首相の5割以上はO型という。ついついO型はリーダー向きとの〝俗説〟を信じそうになるが、小泉純一郎氏がA型、安倍晋三氏がB型であるのを考えると、やはり無関係だろう▼岸田文雄氏は戦後3人目のAB型首相。答弁で「検討」を連発し、野党から遣唐使をもじり〝検討使〟と揶揄(やゆ)されるが、その姿も血液型のせいではなく、単に資質の問題だろう。(文)