シチズン時計がまとめた働くZ世代へのアンケート結果
シチズン時計がまとめた働くZ世代へのアンケート結果

 十年一昔という四字熟語を使って、自民、公明両党が3年3カ月ぶりに政権奪還を果たした10年前の衆院選を先日の小欄で振り返った。ところが、現代の働く若者にとって「一昔」は10年ではなく5~6年前らしい▼Z世代と呼ばれる18~26歳の男女各200人を対象にしたシチズン時計(東京)のアンケート結果が昨日の本紙くらし面に載っていた。自分の感覚で一昔は何年かを尋ねると、最多は「10年」の34・0%。「5年」29・8%、「6年」7・5%、「3年」6・5%と続き、平均は6・5年▼一方で「半年~4年」の回答は計19・1%にとどまった。「変化のスピードが速いデジタル社会を生きるZ世代はもっとこの層が多いと想像していた」と同社担当者。Z世代の時間軸ならぬ〝時感軸〟は意外に速まっていないのかもしれない▼気になったのがビジネス行動で使う言葉の感覚。「なるべく早く」を省略した「なるはやでお願いします」に対する時間の捉え方は「10分」24・0%、「5分」21・5%、「30分」20・0%と拮抗(きっこう)していた。頼む側としては5分と30分では大違い。「○時までに」などと具体的に時間を示した方がストレスは減る▼新卒の3人に1人が入社3年以内に離職する時代。10年が一昔のアナログ世代がZ世代と職場で協調するには〝時感軸〟の針を調整した方がよさそうだ。もっとも針なんて表現、若者は使わないか。(健)