【雲南】桜ご飯などの料理や桜茶に用いる桜の塩漬け作りが、雲南市木次町で本格化している。かぐわしい香りが広がる作業場には、桃色の花が大輪の花火のように並べられ、陰干しされている。
同町の住民グループで、同市の花である桜を生かした商品開発を手掛ける「木の花工房」(吾郷康子代表)が10年ほど前から始めた。
使用するのは市内に咲く八重桜「関山(かんざん)」。4月上旬から中旬にかけて摘んだ花約60キロを、塩と梅酢で約2週間漬けた。同市木次町里方の作業場では10日に陰干しを開始。12日は10人ほどの会員が花の形を整えて、ざるやシートの上に並べた。
生産量はコロナ禍で減らした昨年度に比べ、1・5倍ほどを見込む。陰干し作業は5月中旬で終え、新物は6月以降、市内の道の駅やワイナリーなどで販売する。
塩漬け生産当初から関わる難波浜子さん(69)=雲南市木次町湯村=は「毎年初心を思い出し、おいしくなるようにと作業する。今年もきれいな色が出てよかった」と話した。(広木優弥)