最高金賞を受賞した「農酵酒sign50」(左)と「金鳳 純米酒」
最高金賞を受賞した「農酵酒sign50」(左)と「金鳳 純米酒」

 ワイングラスに注いだ日本酒の飲み口を審査する「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2021」で、山陰両県から金鳳酒造(安来市清井町)と都錦酒造(江津市嘉久志町)の酒が最優秀の最高金賞を受賞した。島根県内の蔵元の同賞受賞はアワードが始まった11年以来、1社しかなく、関係者は快挙を喜んでいる。

 酒類卸や酒造会社でつくる実行委員会が、日本酒の需要喚起を目的に企画。21年は、全国261社が5部門に計千点を出品し、研究者や酒ライターらが銘柄を隠して審査した。

 金鳳酒造の「金鳳 純米酒」は全国325点が出品した「メイン部門」で最高金賞18点に選ばれた。うまみと後口の良さを兼ね備え、濃い味付けの肉や魚料理とよく合う。価格は720ミリリットル入りが1320円。

 都錦酒造の「農酵酒sign(サイン)50」は、277点が出品した「プレミアム純米部門」で16点に選ばれた。島根県奥出雲町で農薬や化学肥料を使わず育てた酒米を使用し、フルーティーで優しい甘みに仕上げた。価格は720ミリリットル入りが1980円。

 都錦の森脇貞博取締役は「奥出雲の優れた酒米があったからこそできた酒で、生産者に感謝している」、金鳳の山本剛士社長は「多くの人の協力で仕上がった酒が評価され、うれしい」と語った。(福新大雄)

 

 最高金賞に次ぐ金賞の受賞蔵元と銘柄は以下の通り。

 【プレミアム大吟醸部門】隠岐酒造(隠岐誉 純米大吟醸 斗瓶囲い)【プレミアム純米部門】隠岐酒造(隠岐誉 室町の純米酒 90)、都錦酒造(錦樹 濃紅葉 純米吟醸)、日本海酒造(純米吟醸 渦 山田錦)