「なぜ除雪車が来ないの?」-。今季一番の寒気が流れ込んだ24、25日の大雪で、松江市ではピーク時に30センチ以上の積雪となった。国道など幹線道路は除雪が進む一方、市街地の多くの生活道は手つかずで、身動きが取れない市民からは嘆きの声が相次いでいる。市は優先順位を付けてフル稼働状態で除雪を続けるが、積雪の多さや運転手不足から追いつかない状況に陥っていた。現場を歩いた。 (取材班)

 26日午後の松江市福原町の市道。ショベルカーが路上の雪を脇に寄せながら走ると、たちまちアスファルトがあらわになった。

 一方、奥まった路地に目を移せば依然として雪が残り、タイヤを空転させて立ち往生する車もみられた。この日、自宅前の道路の雪かきに追われた80代の男性は「なぜ(ここは)除雪されないのか」と嘆いた。

▼短い除雪時間帯

 松江市は除雪計画書で対応の優先順位を明記している。国道や県道に接続する主要幹線道路に指定する「一次路線」、一次路線以外のバス路線「二次路線」、地域の生活道路のうち基幹となる「三次路線」を指定。出動基準は「積雪深15センチに達する、もしくは達することが予想される場合」としている。

 市道路課によると、今回の大雪は天候の見通しなどを考慮し、...