火災にあった焼け跡で見つかった金庫の中を確認する被災者=松江市島根町加賀
火災にあった焼け跡で見つかった金庫の中を確認する被災者=松江市島根町加賀

 松江市島根町加賀の漁業集落で32棟を焼いた大規模火災で、被災者が気持ちを整理する一助にと、民間ボランティアが焼け跡で「思い出の品」探しを手伝っている。被災者の依頼に基づき、貴重品や仏壇の位牌などを見つける作業を通じて傍らに寄り添い、元気づける。(中村成美)

 火災から1カ月半が経過した現場は、まだがれきや家電、家財道具が積み重なっている。ボランティアをあっせんする市社会福祉協議会に寄せられる被災者のニーズが、がれきの中に埋もれた品探しだ。

 16日には、被災2世帯の依頼で、市内2団体の約20人が品探しをした。

 燃えくずをどかし、スコップや手で土砂をすくい丁寧にふるいにかける。被災した男性(80)が見つけてほしいと依頼したのは金庫。先祖が天皇陛下から下賜された勲章や通帳などの貴重品が、見えなくなっていた。

 小雨が降る中、目当ての金庫は見つかった。ダイヤルが焼けており、金属を切断する機械などを使って貴重品を取り出した。男性は「勲章は曾祖父の物で自分が子どもの頃に身につけて遊んだ思い出の品だ。ほっとした」と頭を下げた。

 活動に参加したまつえ北商工会青年部の中村俊也部長(36)は「被災された方には、掛ける言葉もない。だが、少しでも力になれたのならうれしい」と話す。

 一帯は、6月に重機が入り、一斉に更地となる。社福協では、5月末まで4世帯の依頼を受ける予定だ。