歩行者用信号の青の時間が短いと感じる横断歩道の一つ=松江市内
歩行者用信号の青の時間が短いと感じる横断歩道の一つ=松江市内

 通勤時に歩いて渡る横断歩道は歩行者用信号の青の点灯時間が短いと感じる。5車線の広い道路。青になると同時に歩き始めれば、ある程度余裕を持って渡り終えられるが、タイミングがずれるとすぐに点滅し始める印象だ。当方などは次の青を待てばいい話ではある。ただ、青になって歩き出したお年寄りが、時間内にぎりぎり渡り終える姿を見たことがある。点灯時間に一考の余地がありそうだ▼車の多い松江市の幹線道路であり、よどみなく流す必要があることは分かる。車優先の社会を実感する朝の一こまだ▼信号機のない横断歩道での対応にも車優先は表れる。横断中の歩行者がいる場合はもちろん、横断しようとする歩行者がいれば、車に一時停止義務があるのに、止まる車は少ない。警察の取り締まり強化などで少しずつ改善されているとはいえ、十分ではない▼先日も島根県で昨年起きた交通死亡事故に関し「事故現場は日常的に通っているが横断歩道があるという認識がなく、注意できなかった」という当事者のコメントが紙面に載った▼歩行者優先が浸透しない中、警察庁は2年前から信号機のない横断歩道で「手上げ横断」を勧める。歩行者の方が対応を求められるのは筋違いにも思うが、現実問題として自分の身を守る行為になる。実践が増えれば一時停止義務の周知にもつながる。不幸な事故を防ぐため、できることをしたい。(輔)