特設コーナーで商品を見る来店者=出雲市斐川町学頭、道の駅「湯の川」
特設コーナーで商品を見る来店者=出雲市斐川町学頭、道の駅「湯の川」

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う移動自粛が続く中、島根県内の15カ所の道の駅がタッグを組み、それぞれの特産品やご当地商品を相互販売する取り組みを始めた。近場で他地域の商品と出合える機会を設け、感染収束後に現地に足を運んでもらえるきっかけをつくる。(松本直也)

 国道9号沿いの道の駅・湯の川(出雲市)の特設コーナーには、美都ゆずチョコレート(378円)や和牛しぐれ(340円)など普段は取り扱わない約15種類の土産物が並ぶ。サンエイト美都(益田市)やロード銀山(大田市)など他地域の道の駅から取り寄せたもので7月末まで販売する。

 「駅長の推奨商品フェア」と銘打った取り組みは、県内の全29駅(開業予定の1カ所を含む)でつくる県道の駅交流会が企画。今年3月に各駅長がラーメンや煎餅、しょうゆなど47種類の商品をプレゼンテーションし、他の駅長が気に入った商品を取り寄せて販売する仕組みだ。

 来店客からの反響は上々で、既に売り切れ、追加注文する商品もあるという。コロナ禍で商品の過剰在庫に悩む生産者にとっても販路拡大のチャンスで、交流会は取り組みが軌道に乗れば、他地域の駅と生産者との直接取引も想定する。

 交流会の金築豊会長(60)が駅長を務める湯の川の場合、新型コロナの影響で2020年の売り上げが19年比で3割減となり、収益確保が喫緊の課題。「商品の魅力が伝わればお客さんに足を運んでもらえる。広域的な連携で地域振興の役割を果たしたい」と意気込んだ。