終盤戦を迎えた大相撲夏場所から目が離せない人も多いだろう。注目は鳥取城北高出身の横綱照ノ富士。4場所連続の休場明けで仕上がりが心配されたが、初日から8連勝。幕内に戻った元大関朝乃山らとのハイレベルな優勝争いに胸が躍る▼高校相撲界の強豪となった鳥取城北高は、多くの関取を輩出。今場所は引退した逸ノ城を除いて幕内に北青鵬ら3人、十両に4人と、計7人のOBが名を連ねる。幕下にも順調に番付を上げる有望株がいる▼同校出身者で横綱と並んで注目しているのが、倉吉市出身で西十両8枚目の落合(宮城野部屋)。今年初場所、幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏み、所要1場所で十両に昇進した。「令和の怪物」と呼ばれる大器は、まだ19歳だ▼十両1場所目の先場所は10勝5敗。今場所も下半身の安定感、スピードを武器に白星を重ね、初日から10連勝。きのうは初黒星を喫したが、十両の優勝争いでトップに並ぶ▼倉吉市は幕内優勝5回を誇る第53代横綱・琴桜を生んだ地でもあり、地元やファンの落合への期待は高まるばかりだ。2人とも、学校統合後の新校名が二転三転し全国的に話題となった成徳小学校卒業という共通点もある。昨年初場所以降の8場所は幕内優勝力士が全て異なり、平幕優勝が3度あるという戦国時代。鳥取県出身として2人目の横綱を目指し、令和の怪物にはこの勢いで突き進んでほしい。(彦)