選(よ)り分けて不要物を取り除くという意味で使われる淘汰(とうた)の「淘」の字。では「淘げる」は、どう読むのか? 耳慣れない言葉だが、答えは「よなげる」。米を水に入れてゆすって研ぐことを意味する表現で、穀物を竹ざるでふるいにかけていた頃の言葉か▼この「よなげる」が米子の地名の起源の一つとして伝わることを最近、知った。米子城跡の近くに立つ賀茂神社天満宮(米子市加茂町2丁目)を訪れた際だ▼城跡が残る湊山の麓に近い神社の周辺は昔、賀茂の浦と呼ばれる小さな漁村で、神社の西側辺りまでが中海だった。漁民らは境内にある井戸水を飲み、米を研いだという▼由緒書きによると、この「よなげる」行為から、井戸は「よなぐ井」「よなご井」と転じ、戦国時代に豊臣秀吉から統治を認められた吉川氏が築城計画を進めた際に、砦(とりで)の麓の地名に「米子」の文字を当てたとされる。現在も鳥居の左手にある井戸は、上下水道が普及するまでは「宮水」と呼ばれ、旧米子町民の飲料水として親しまれていた▼神社にはもう一つ、子どものいない翁(おきな)が祈願すると、八十八歳で子宝に恵まれた伝説から、漢字の米につながる「八十八」の「子」にちなみ「米子」の地名が誕生したとの説も残る。由来はさておき、米子市のリーダーを決める市長選が4月に迫った。選挙戦の構図はまだ定まらないが、政策も有権者の目で淘がねば光らない。(満)