金沢市に本店を構える地方銀行グループが、全国各地の地方銀行(数行)の株を購入したことが話題になっている。
バブル以来33年ぶりの高値を回復した株式市場の勢いを受け、地銀株にも徐々に光が当たり始めているが、確かに投資対象として浮上していることには筆者も納得感がある。
一つは低い株価。時価総額が純資産の0・2~0・5倍程度に過ぎず、十分伸びしろがあること。つまり株価上昇が期待できるのではとの思惑である。
それにも増して注目すべきは配当利回りの高さである。強い基盤を持ち持続性が見込めるトップ地銀の中にも、驚くことに配当利回り4%以上のものが少なからずあり、金沢の地銀が投資した中にもそういう銘柄が含まれている。
先日、九州の某中小企業が地元トップバンクの株をまとまったロットで購入したと聞いたが、4%を超える配当利回りも大きな理由だったという。将来の配当額は不確実だが、地銀株の配当には下方硬直性があってよほどのことがない限り減配にはならないと思われているようだ。
さて、昨今「仕組み債」に関して、地銀や地銀系証券子会社の販売姿勢が問題になっている。
仕組み債というのは国債のように満期まで保有していれば元本が保証されるものとはまったく異なるものである。債券という衣で覆われていても中身は...
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