天文台にあるような大きな天体望遠鏡は、いろいろな天体がよく見えますが、それはなぜでしょうか。望遠鏡はレンズを使って光を集めます。レンズの代わりに鏡で光を集める望遠鏡もあり、大型(おおがた)の望遠鏡ではその方式が多くなっています。
実は人間の目の中にもレンズのようなものがあります。大人なら瞳(ひとみ)の直径はおよそ7ミリあり、その大きさのレンズで光を捉(とら)えているといえます。
一方、望遠鏡の場合、例えば三瓶(さんべ)自然館サヒメルの大型望遠鏡は直径が60センチの鏡を使っています。これは瞳の面積の約7300倍にもなり、よって目の7300倍の光を集められることになります。
もっとレンズや鏡が大きい望遠鏡なら、よりたくさんの光を集めることができます。つまり、望遠鏡はそのレンズや鏡が大きければ大きいほど、遠くの天体や暗い天体が見やすいのです。天文台の中には直径1メートルを超(こ)える鏡を持つ望遠鏡が設置(せっち)されているところもあります。
夜に行くと星を見せてもらえる天文台は全国にたくさんあり、日本公開天文台協会のホームページなどで調べることができます。天文台で大きな望遠鏡を見たときは「これ何センチですか」と聞いてみてください。望遠鏡の性能(せいのう)の目安として、レンズか鏡の直径をすぐに答えてもらえるはずです。
(島根県立三瓶自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))
=隔週掲載(かくしゅうけいさい)=