水都の夏を彩る松江水郷祭花火大会が8月5、6日に迫ってきた。今夏は花火の質量をバージョンアップし新型コロナウイルス禍前以上のにぎわいが期待される。一方、開催は資金の確保が課題となる上、物価高騰もさらなる経費増を招く。主催団体は状況打開へ有料観覧席増設に踏み切った。観光客を呼び込み国内有数の大会にしたい考えだが、市民の娯楽として定着しており判断が難しい。 (政経部・片山皓平)
 

昨年の水郷祭で宍道湖上を彩る花火=松江市

■社会実験で方向性


 「市民の大会か観光目的か、議論があるが、両方を目指す」。5月上旬、主催団体の松江水郷祭推進会議総会の冒頭あいさつ、田部長右衛門会長(松江商工会議所会頭)がこう述べた。

 発言の背景に有料観覧席に対する市民からの反応がある。3年ぶりに開いた昨年大会では...