鳥取県と鳥取大が整備した鳥取砂丘月面実証フィールド「ルナテラス」(鳥取市浜坂、鳥取大乾燥地研究センター内)で3日、初めての実証実験があった。月面の砂に似た特徴がある砂丘で、小型ローバー(探査車)の遠隔操作試験を行い、実用化に向けたデータを集めた。
鳥取市に拠点を置き、宇宙体験アクティビティを手がける「amulapo」(アミュラポ、東京都新宿区)と、宇宙探査用機器の開発事業者「たすく」(東京都杉並区)が実施。
たすくが開発した全長約50センチ、高さ約30センチの小型ローバーを、約2キロ離れた場所から遠隔で操縦し、月面で水を探すことを想定したミッションに挑んだ。車載カメラの限られた視界を頼りに、月面の岩やクレーターを想定した傷害物や起伏を回避しながら砂地を踏破した。たすくの古友大輔社長は「想定以上にしっかりとした走りができた」と手応えを語った。
実験は鳥取県内の企業関係者も視察。古友社長は、縫製業など一見宇宙産業と関わりの薄い企業とも意見交換したとし「人が集まることで気付きが生まれ、イノベーションにつながる」と、ルナテラスを通じた地元企業との連携に期待した。
(吉金亮太)