熱い日差しが照りつける中、選手たちに声援を送る応援団
熱い日差しが照りつける中、選手たちに声援を送る応援団

 読者の皆さんから意見を募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。「炎天下のスポーツ大会、どう考える?」にたくさんの投稿をありがとうございました。いただいた全ての投稿と、記者の雑感を掲載しています。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)

 1、毎年、夏休み中のスポーツというと高校野球を思い浮かべます。学業に影響のない夏休み中に行うのは分からなくもないけど、今は昔と違い、暑さが尋常ではありません。学生の健康状態も懸念されます。野球だけでなく、陸上部やサッカー部、テニス部なども、この時季の大会に合わせ、毎日、練習しています。屋内(体育館)での部活(バレー部やバスケ部、卓球部など)も同じ。汗を浴びるほど流し、真っ赤な顔をして頑張っています。
 しかし、熱中症などで体調を壊していては本末転倒。まずは子どもたちの身体を一番に考え、夏休み中の部活を減らしたり、時間帯を変更したりするとか、大会そのものを涼しい時季(秋)に行うように見直したらよいと考えます。教育に携わる方々、スポーツ大会に関わる方々、ぜひご検討いただきたい。

この夏の猛暑の中で島根大会を勝ち抜き、夏の甲子園出場を決めた立正大淞南の選手たち

 2、昔は、これほどまでに暑くなく、大会中は各自で水分補給をしていた。しかし、今は熱中症警戒アラートが発令されるほどの灼熱(しゃくねつ)の中で、子どもたちは頑張っている。試合時間をずらす、水分補給タイムを設ける、これまでの考え方を改めて屋外で試合をしていたことも室内に変更する、取り組む時季を変えるなど考えていくことで、開催してはどうでしょうか?

 3、学生時代、吹奏楽部だった。新聞社主催のコンクールは地区予選は9月中旬から下旬。全国大会は11月だった。しかし、野球部は6月中旬ごろから7月中旬が予選、甲子園出場は8月だ。なんで同じ新聞社主催なのに運動部は暑い盛りなのだろう。秋にしたくても会場が取れないのかなと思ったりしていたが、今の気象状態だと考えないといけないのでは。新聞社の人たち! 考えてあげてほしいな。(ドルチェ、76歳)

選手に声援を送る応援団

 4、命が大切なのは言うまでもありません。それは当然の前提として、スポーツをする子どもたちの気持ちを考えると大会はあった方がよいです。青春は一度しかありません。目標に向かって切磋琢磨(せっさたくま)する経験は、後の人生にも影響を与えるでしょう。
 次に、炎天下の大会に関しては時季をずらす必要があると思います。暑さで熱中症となり倒れてしまった。自分の力が出せなかった。これこそ後悔が残ります。日本の教育制度では、夏が休みなので夏に開催はされているでしょうし、また受験への影響なども考慮されているでしょう。
 一方、高校野球に関しては「汗」「涙」などに感動する大人側の思いもあるでしょう。大人は、根性論の世界に生きてきた方も多いので余計にでしょう。ではどうするか。まず、大会を秋にし、全国一斉に1週間~10日の秋休みをつくる。その期間、大会。そして、夏の休みを同様に短くして、サマータイム導入。朝6時から1時間半程度練習。8時から午後3時ごろまで学校。放課後はやめる。生活のリズムを朝型にすることで得られるものはあります。
 また、学校の授業においても時間の使い方を学ぶ時間をつくり、指導者側も効率的な練習を学び指導に生かしていく。といった抜本的な制度改革が必要だと考えます。(保育士父ちゃん ゆう)

 5、中2娘は、大会を秋にすると、3年生が長く部活ができるからよいのではと。ただ、受験が気になります! 義父は、外スポーツの選手は、暑さに慣れているから大丈夫と。私は、何らかの対策が必要と思います! 熱中症対策は、もちろん、開催する時間を朝や夕方、夜にするのもありでは!(やっこ、40代)

 6、ナイターでやるといいのでは? 設備も整っているはず。観戦者もその方が楽ですし、サマータイムで実施すればよいと思います。目まぐるしく変化していく時代、時代に沿ったやり方を柔軟にやっていくことが大切かと思います。(ふじさん)

ナイター設備が整った野球場(共同)

 7、夏に外に出られる時間は犬の散歩を考えればよい。早朝と夕方以降のみ。ナイター施設を充実すれば、朝の混雑も避けられよう。学校ではなく、地域のチームにすれば強化選手への予算としての暑さ対策も容易になる。進路だけを考えて炎天下練習に付き合わされるかわいそうな生徒たちをまずなくしたい。(金巴里橙)

 8、選手・アスリートが最高のパフォーマンスを発揮する場としての大会は必ず必要だが、日本がこれだけ暑くなるのであれば、開催時期、開催場所、開催時間は見直すべきです! 高校野球を見ていると、選手はもちろんですが、審判や応援団、チアガール、吹奏楽団など、休む暇などないようです。大丈夫だろうかと心配です。身体の安全を考えて、前向きに改善!検討してほしいです!(タカボー、72歳)

 9、以前と比べて、暑さのレベルが違いすぎます。炎天下のスポーツ大会は避けるべきで、時季をずらすなど検討が必要だと思います。スポーツに限らず、イベントも同じだと思います。

 10、炎天下のスポーツ大会ですが、それに限らず、スポ少の練習にも、危険だと感じることはあります。まだ体力のない子どもに、炎天下での練習や試合をさせるのも危険だと思います。水分補給や休憩に配慮していても、子ども自身が体調の変化を大人にうまく伝えられなかったり、我慢していたり。言い出しにくい子もいると思います。多くの指導者さんが子どもの頃とは異なる暑さです。加えて、大切な子どもたちの指導をするに当たり、最低限の講習を受けたり、自治体や教育委員会などがガイドブックなどを作成して、子どもへの教育などに関しての知識や好ましくない言動についてなど、指導者に対する教育をしたりすることも必要だと思います。実際わが子がスポ少に所属している時、指導者の言動を疑問に思うことがたくさんありました。一生懸命に関わってくださっている事には感謝しますが、時には傷つけたり、悲しい思いをさせたりすることもある立場なので。(240、50代)

水分補給や体に水をかけるなどして熱中症対策を講じる中学生

 11、今の暑さはわれわれが学生だった頃とレベルが違います。外を歩いているだけでぐったりするほどです。部活動はあくまでも教育の一環。子どもたちの努力の成果を発揮する場を守るためにも、これまでの常識を取っ払って考える時期に来ているのではないでしょうか。(OY、30代)

 12、死者が出る暑さでスポーツするのは反対ですね。野球など選手も大変ですが応援している生徒もつらそうです。どうしても甲子園がよいならドームか何か屋根のある建物にするか、ナイターにするべきなのでは? マラソンや競歩なども同じで夜に走るのも仕方ない気がしますね(カルダモン)

 13、やめるべきと思います。大会の意義や教育の必要性とか言われていますが、命あってのものです。どう配慮してもこの環境は危ないです。命をかけてまでこの時季に行う理由は何でしょうか。意味がわかりません。安全安心な学校生活をお願いいたします。(N)
 

記者雑感 子どもを守るため常識を見直す

 この夏、インターハイや高校野球、中学野球など、山陰両県の選手の活躍が紙面を飾りました。気象庁の発表で、7月の平均気温が統計を開始した1898年以降で最も高くなった厳しい暑さの中を戦い抜いた子どもたちに頭が下がる思いです。
 皆さんからの意見に共通するのは「子どもたちの健康を守るため、これまでの常識を見直す」ということでした。ナイターでの開催や、暑さが和らいだ秋への移行など、さまざまな提案がありました。
 部活動は体力や技能の向上を図るだけでなく、学教教育の一環として多様な学びのある場です。子どもたちの健康を守りながら大会を開くためにはどうしたらいいのか。「そんなやり方は現実的に無理だ」と言ってしまえばそれまでです。常識や慣習にとらわれることなく、時代に沿って絶えず議論していきたいです。(担当記者)
 

次回テーマ 「自治会の在り方、どう考える?」

 次回のテーマは「自治会の在り方、どう考える?」です。地域のつながりが安心をもたらす一方、運動会や夏祭りなどの行事がおっくうだという人、自治会費の徴収や運用に疑問を持つ人もいます。加入しない世帯も少なくありません。この時代に合った自治会とはどんなものでしょうか。意見を教えてください。
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