野良猫が増え困っている地域がある。住民活動で対策を講じ成果を出す地域もある。20~26日は動物愛護週間。猫と人間、猫好きの人と猫に苦しめられる人とが共生できる社会を目指すため、解決策を探った。(報道部・小引久実)

不妊去勢手術のために野良猫を捕まえる捕獲器を設置する南殿町町内会の坂本拓三会長=松江市殿町

 「近所の空き家で猫が増えて困っている」。今夏、松江市内の70代男性から悩みの声が寄せられた。男性や周辺住民によると、餌やりする人がおり注意しても効果がないという。昨年から野良猫が4回以上出産し数は今春、20匹に上った。一番困るのがふん尿と臭いで、近くに猫のふんが1メートルおきに約10カ所落ちていた。掃除は追い付かず、ふんを入れるポリ袋はすぐ満杯になる。

 殺処分数を減らすことなどを目的に動物愛護管理法が2019年に改正され、自治体はこれまで一律で引き取っていた野良猫など所有者不明の猫の引き取りを拒否できるようになった。...